2025 7月上旬の頃のお話。
6月下旬から「学校に行きたくない」と、息子が登校直前に行き渋りを始めてから2週間、
ようやく「いってきます!」元気な声が聞こえた。
もうすぐ梅雨が明けるかな。
息子の心もそろそろ夏モードに切り替わる頃かもしれない。
「いってらっしゃい」玄関で見送り、出勤時刻が迫っていたので、支度をしようとしてすぐ
「うわぁぁぉぁぁん」
家の外から息子の悲鳴のような声が。
(家を出てすぐのタイミング、転んだな)
見なくてもわかる。近所に響き渡るほど大騒ぎしてくれちゃって。
ご近所さんも「ぼっちゃんが転んだ」って、わかってるだろう。
時計をみると7時27分。出勤時間まであと3分。
絆創膏、消毒液、ティッシュを持って、急いで玄関を出て息子の元へ向かうと
こども園へ行こうとしていた旦那と娘が、一足早く息子のそばにいた。
コンクリート上で転んだらしく、両膝に擦り傷があった。
それを見た息子が
「もう歩けない〜」
涙が溢れ、こぼれている。ケガをしたので、学校まで歩くのが嫌になった様子。
出勤ギリギリ、送迎不可能。なんとかご機嫌をとって学校に行ってもらわくては。
「痛かったね〜」
共感しなから、消毒液を傷口に垂れ流してティッシュで軽く押さえる。
娘がリラックマの絆創膏を箱から取り出し、手際よく紙を剥がして渡してくれたが
それにしても、なんて気が利くだろう5歳娘!
こども園で先生のお手伝いしている姿が目に浮かんだ。
傷口3か所貼り終えたところで
「リラックマ、コリラックマ、キイロイトリが揃ったね」
と旦那が息子に声をかけると、泣き止んで絆創膏のキャラクターに注目していた。
私はいままで、絆創膏なんて貼れれば無地でもいいと思っていて、子どもがキャラクターの絆創膏を欲しがると、無地の絆創膏にペンでイラストを書いていた。
イラスト描くのは得意だったので、リクエストされたイラストを描けばいいと思っていた。
ところが、娘の歯科検診の時。会場で走り回っていた娘が転んで、肘から血が出てギャン泣きしたことがあった。
自業自得じゃんって思いながら、「痛かったねぇ」と娘の肘をティッシュで止血していると
「大丈夫ですか?」
娘と同い年の子のお母さんが声をかけてくれて
様々な大きさや形のアンパンマンの絆創膏を、ジッパー袋から取り出して
どうぞ、と渡してくれた。
娘は絆創膏をみて泣き止み、楽しそうに選んでいた。
私は、ショックだった。
何がショックだったかというと、
母親は、子どもがあらゆる場所でケガすることを想定していなければならないということ(かろうじてティッシュはあったが、絆創膏は不所持)
そして、子どもは、キャラクターの絆創膏をみて泣き止むという事実!
そしてそして、キャラクター絆創膏を選んで楽しむというエンタメがあるということ!
この出来事をきっかけに、キャラクター絆創膏に対しての抵抗感がなくなり
ちいかわ、プリキュア、パウパトロール、そしてリラックマ、と買い揃えるようになった。
子どもが集まる場所に行くときは、バッグの中にキャラクター絆創膏を忍ばせている。
歯科検診の時に助けてくれたお母さんのように
泣いている子と困っている母の救世主になりたくて。